先日、とんでもないお話をエイトリアンさんからご相談いただきました。
RX-8で最速タイムをたたき出す最強の業界”外”人。
新たな挑戦としてL235タイムアタックを開始するにあたり、当社車高調を採用いただきました。
その上、プロドライバー谷川達也選手にもアタックしていただきました。
先日、その際のセッティングについてお伺いしてビックリ。
減衰力はフロントが真ん中より下、リアに至ってはなんと最弱の1段目!!!
次回さらに低い減衰力をご希望とのこと。
一瞬フリーズしましたが、思えば似たような課題をすでに与えられていました。
3UP三上さんを通じて2020D-1チャンプの小橋選手から依頼されていた減衰力。
短筒式ショックアブソーバーでは再現不能と思われる数値。
初期を純正ショックイメージまで下げるというモノ。
試行錯誤の上、2年がかりでその課題に応えたショックのプロトタイプは完成済み。
ドリフト素人の私にも、それを装着した小橋選手の動きには驚き。
あり得ないと思われた減衰力の発生に成功した当社の開発担当者。
小橋選手のお父様がスズキワークス所属時、仲間だったお一人が減衰力の師匠というご縁。
開発コード”ボールベアリング”の成功により、初期の減衰数値を著しく落とすことに成功。
この減衰力設定は、ドリフト界の中でもトップクラスが必要とする特殊なもの。
と、思っていましたが、すぐに間違いだと気づきました。
全長調整式に多く採用される高圧ガス封入の短筒式ショック弱点の解消でもあるのです。
簡単に言えば一般道の低速域の乗り心地が改善されます。
そしてN-ONEカップにも賛成中の谷川選手。
トップ争いをする車両も非常に減衰力の柔らかいサスペンション仕様とのこと。
イメージとしては純正ショックレベルが良いとの発言。
ドリフト用として開発してきた減衰力。
これを今後、色んな車種や環境でテストを行うことになりました。
結果を出せる脚なのに乗り心地が良い、そんな相反することを可能にできるかも!
そんな華やかなお話とは反対に、日々の作業は地味で大変。
本日もちょうどオーバーホールの作業中でした。
機械が全自動、半自動でやってくれるものではなく、すべて手作業。
直径数㍉のゴムパッキンを指先で押し広げながら脱着。
これだけでも見ていてゾっとします(苦笑)。
部分ことに異なる道具や機械を出してはしまう。
バラしては組み立てる。
オイルも何度かの工程に分けて封入。
精密部品の組み合わせなので、傷や歪みはNG。
一つひとつの作業ごとに慎重にならないといけない。
一台分4本のショックのオーバーホールにかかる時間は2時間。
減衰力テストとデータ解析も入れるともう少しかかります。
一日に対応できる台数は限られます。
人間の作業時間も厳密に加算すると実は赤字。
オーバーホールではなく新品購入してもらうほうがありがたい。
けれど、オーバーホール時に減衰変更のリクエストもあるためやめることはできません。
本気でサーキットでご利用いただいている方がおられ、当社も対応することが勉強になっています。
最近、日照時間がずいぶん伸びてきました。
退社時間の18時でも少し明るい。
いよいよ2週間前となったハーフマラソン大会。
朝トレーニングの時間帯も明るくなって嬉しい。
完走のための最重要課題は体重。
耐久レースの車両づくりと同じく、軽量化がカギを握ります。
重過ぎるとタイムが落ちるだけでなく、途中でガス欠が待っています。
ところが当社には恐ろしい福利厚生システムが…
シルクロードは事務所のお菓子、無料…
隣の工場、セクションではホットドリンク無料…
おしるこが大人気!
で、これがまたうまい…
はァ…
カーボンボンネットのように、私のメタボボディも換装できればいいのに…
明日は天皇誕生日で祝日。
安全運転で楽しくお過ごしください。
そして暴飲暴食にはご注意を…
ええ、自戒です。